今夜 ジャングルランドで
先週、実家に帰った時にブルーススプリングスティーンのBorn To Runを聞いた。
1975年に発表されたロックの歴史に燦然と輝く名作。
このアルバムによってスプリングスティーンは新しい時代のロックの救世主となり、
その後、アメリカを代表する国民的なアーティストへと歩んでいく。
何度聞いたか分からないけれども、このアルバムを聞く時は必ず最初から最後まで
1曲もとばさずに聞く。
始めて聞いた時は1曲目のサンダーロードのハーモニカとピアノのイントロから、
何か自分の知らない物語が始まるような感じがして、訳詞を片手にスプリングスティーン独特の疾走感に、自分もどこか別の世界へと駆け抜けていくような感じがした。
このアルバムを聞くと、その頃の18,19才頃の自分と仲間たちだけしかいなかった、
あの小さな世界がそのまま蘇ってくる。
あまりの寒さに忍び込んだモデルハウスで夜を明かし、
そこのベランダから見た紫色の夜明け、
あぶない連中につかまってしまった真夜中の姫路城、
停電で真っ暗闇になった街の中へ、仲間の彼女の赤い車で乗り出した台風の夜、
僕ら以外には客のいないオールナイトの映画館、
もう会うこともなくなった彼らの笑い声が聴こえてきそうな気がする。
そして最後の曲、ジャングルランドでのビッグマンの長いサックスのソロの後、
アップタウンのトンネルの中で銃声に倒れるマジックラットも、
そんな仲間たちの一人のような気がしてしまう。
これからも、このアルバムを引っ張り出してきては、最初から最後まで
1曲もとばさずに、何度も聞き続けていくのだろうと思います。
是非、見に来て下さい。
http://www.7mentyo.com/index.html