自伝を出版したモリッシー
モリッシーの自伝がヨーロッパで出版された。
今のところ日本語訳が出る予定はないようだけど、
イギリスではベストセラーになる勢いで売れているらしい。
何か大層な綺麗にまとまったストーリーを押し付けられるようで
自伝というのはあまり好きではないけれど、モリッシー、ザ スミスは
僕にとって大きな大きな存在なので、やっぱり読んでみたい。
本の中では30代の頃、男性と交際していたことを告白しているらしいけれど、
二人が恋愛関係にあったのかについては曖昧なままにしているというのは、
いかにもモリッシーらしい。
93年に出たパリでのライブを収録したアルバム、ベートーベンワズデフ、
大きなモリッシーコールの中、静かに始まるSEA SICK,YET STILL DOCKED,
「今夜は堪えきれないほど食べてしまった、
僕が一日中こうして眠っているのを知れば、君にも明らかだろう、
僕が本当に今まで誰のことも愛したことなどなかったということが」
なんて素晴らしいのだろうと思った。
なんて偉大な詩人なのだろうと思った。
25年以上に及ぶソロ活動の過程でモリッシーはどんどん強くなっていったのだと思う。
ザ スミスという伝説に飲み込まれずに、逆にそれを取り込んで、
更にモリッシーという伝説を大きくしていったことは本当に凄いし上手いなと思う。
そんな真似は彼以外の誰にも出来なかったことだと思う。
「コンニチワ、MY TOKYO ROSE」そう言って始まった去年のZeppTokyoでのライブ、
モリッシーの存在感は圧倒的だった。
崇拝するジェームズディーンやエルヴィスプレスリーのように伝説として語られる存在に自分もなってモリッシーは満足しているのだろうなと思った。
最近は病気がちでツアーをキャンセルしたりしているようだけれど、
ここまで死なずに生きてきたのだから、モリッシーには元気でいてほしいです。
まだまだ世界中に僕も含めてモリッシーを必要としている人々がたくさんいるのだから。