Junji In The Rain

自分の音楽、自分の大好きな音楽の話など

リバーフェニックスの命日

1993年のハロウィンの夜にリバーフェニックスは亡くなった。

もう20年も経つのかと思うと驚かずにはいられない。

 

僕より三つ年上の彼のことはファンというよりも、あの何処にいても

居心地の悪さが滲み出ているような彼の演技、佇まいに親近感を持っていた。

音楽が大好きでバンドもやっていて、スミスやREMなんかも聞くという話にも

好感を持った。

 

彼が亡くなったときにはまだ実家に住んでいて、新聞で彼の死を知った。

スタンドバイミーで有名な俳優、まだ23才だったこと、ハリウッドのクラブの

外の路上で倒れて亡くなったことなどが書いてあるだけの小さな記事だった。

それから5カ月後にはカートコバーンが27才で自殺した。

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リバーの映画で一番好きなのは

ジャクソンブラウンの代表曲と同名タイトルのRUNNING ON EMPTY。

元はベトナム戦争反戦運動家でFBIにテロリストとして追われている両親と

その息子たちの家族の物語で、長男役のリバーは複雑な境遇の少年を演じきっている。

各地を転々としながら家族で支えあい暮してきたリバーの少年時代と重なる

悲しくて心の温まる名作。

初めてできた彼女を自宅に招待して、みんなでジェームステイラーの名曲

ファイアーアンドレインを歌う場面は忘れられない。

 

THING CALLED LOVEも強く印象に残っている。

ナッシュビルでカントリーのスターを目指す若者たちの物語で、

ストーリーはありきたりだけれど、撮影の後、実生活でも恋人になり

彼の最期を看取ったサマンサマシスが特に素晴らしい。

根暗な高校生が名前を隠して海賊ラジオのDJを始め、英雄になっていくけれど、

大人たちからは理解されることはなく苦い結末を迎える、

彼女とクリスチャンスレーターのPUMP UP THE VOLUMEも僕の心の名作です。

 

もしリバーが生きていたとしても、彼のような才能を活かせる映画は

今の時代にはほとんどないんじゃないかと思う。

僕は今年40才になった。

リバーやカートは本当に早く、一瞬でいなくなってしまったのだなあと改めて思う。

リバーの命日なので彼のことを書いているうちに、ふらっと昔の友人でも訪ねるように、

久しぶりに彼の映画が無性に観たくなってきました。

 

「僕は炎も見たし、僕は雨も見てきた、

決して終わることなどないと思えるような晴れた日々も見た、

一人の友人も見つけられない淋しい時も見た、

それでも、いつだって君にもう一度会えると思っていたんだ」

ファイアーアンドレイン   byジェームステイラー

 

今日、リバーの幻の遺作ダークブラッドが来年公開されることになったと知りました。